| 04/11/09 |
| 薄型デジカメ | |||
| ■1 | 相反する特長を両立 | ||
| 厚さわずか1.73センチ、常識覆す高性能 | |||
1年前の昨年11月、デジカメ業界に衝撃と驚きが交差した。ソニーから新しく発売されたデジタルスチールカメラ「DSC―T1」が原因。T1の有効画素数が510万と高画質でありながら、本体の厚さが1・73センチという薄さだったからだ。これだけの画質なら、当時3センチ以上はあったので無理もない。 「昨年春から薄型モデルがデジカメ市場を左右し、各メーカーとも1ミリ刻みで薄さを競っていた。薄くなれば画質も悪くなるのが普通。一気に1センチ以上も薄くし、画質も保ったため、衝撃度も大きかった」。T1を製造したソニーイーエムシーエス美濃加茂テック(岐阜県美濃加茂市)の製造部統括部長・大塚茂樹さん(46)が背景を説く。 新製品のT1は、シルバー色のステンレスで覆われたボックス型。縦6センチ、横9・1センチ、厚さ1・73センチ。レンズのカバー部分は厚さ2・1センチ。一見すると、シガレットケースのよう。カメラとはすぐに思いにくい。コンセプトも「内ポケットに入れ、ワンハンドで撮れる」 レンズのある面とは反対側に、2・5インチで21・1万画素のモニター用ハイブリット型液晶画面が付く。本体の大きさからすれば、ワイドで精細な画質だ。晴れた白昼の屋外でも鮮明に確かめられ、ピント合わせも簡単。「ワイド率が従来の3倍ぐらいあり、撮影者だけではなく、再生して家族や友人らにも見せやすい」と大塚さん。 薄型で高画質だけが特長ではない。さまざまな新技術を開発し、多くの特許も出願した。例えば、本体の内側で前後に動くプリズム式光学3倍ズームレンズ。折り曲げ式を編み出し、従来のように前面へレンズが飛び出さない。 また、厚さ5・3ミリの薄型バッテリーも新開発。同時に、画像処理の消費電力を既存より約3割も減らした。大型液晶画面を搭載しながらも、バッテリーの持続時間は変わらず、標準撮影で約170枚、ざっと85分を実現した。 さらに、拡大鏡モードを取り入れ、最短1センチまでの接写が可能だ。文書や書籍などにレンズを向け、被写体の約3・3倍の大きさまで撮影。液晶モニターでは最大13・3倍まで拡大できる。普段から所持しておれば、メモ代わりに使えそう。 「ソニーのデジカメは、コンパクト化ですでに市場に認知されていた。それを踏まえたうえで、新たに世に問えるデジカメを作ろうと考えた。ただ単に従来以上に薄型で高性能というのではなく、デザインや使いやすさなども含めて、根本的に作り変えた」。T1新開発のプロジェクトチームのリーダーを務めたソニーDSC事業部の野田康さん(43)は振り返る。 しかし、性能を従来以上に高める一方、本体を大幅に薄くすることは至難の業。02年6月にプロジェクトチームを発足させたものの、コンセプトの議論から大いにもめた。メンバーの多くから「こんな相反した技術開発は、できるわけがない」と、批判や不満が続出。このまま開発を進めれるか危ぶまれるほど、前途多難な船出だった。 |
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| デジタルカメラ | |||
| 一般的には静止した写真を撮るスチールカメラを指す。メモリーカードに写真の画像データを保存し、従来のカメラのようにフィルムの装てんや現像の手間が不要。撮った場で画像が確認でき、カードを何度も再使用できる。90年代の中ごろから登場し、パソコンの普及で拡大。撮った写真をパソコンに取り込み、年賀状などにする人が増えた。03年ごろからデジタル多用途ディスク(DVD)レコーダー、薄型テレビと並んで「新三種の神器」と呼ばれる。現在では従来のカメラより、販売台数が多い。 | |||
| 【文・安間教雄/写真・小林理幸】 | |||
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