終戦知らずグアム島ジャングルで28年間−−実物大の穴式住居を再現
終戦を知らずグアム島のジャングルで28年間、生き抜いた元日本兵の横井庄一さん(1997年9月、82歳で死去)の記念館が6月下旬、名古屋市中川区にオープンする。開館を前に内装はほぼ完成し、ジャングルでのサバイバル生活の拠点となった穴式の住居が再現された。
「横井庄一記念館」の建設は、横井さんの生前からの願いを実現しようと、妻の美保子さん(78)が計画を進めてきた。72年にグアム島から帰国後、夫婦で生活を続けた自宅を改造し、木造2階建ての1階すべてを展示スペースに開放した。
メーンの穴式住居は、横井さん夫妻と30年来の付き合いがある愛知県立一宮聾(ろう)学校の美術教諭、永田健一さん(57)が制作した。息子2人の手を借りながら、竹や和紙、粘土、絵の具などを使って縦約2メートル、横約4メートルの実物大に仕上げた。永田さんは「28年間孤独に耐え、あきらめずに生きてきた横井さんの人生を感じてほしい」と話す。
このほか館内には、木とつるで作った機織り機や竹で編んだ漁具、ヤシの実の茶わんなど、横井さんが帰国後に復元した生活用具が展示される。限られた材料で少しでも快適に生活するために工夫を凝らしたものばかりだ。また帰国した横井さんが「熱中することで戦争の心の傷を癒やした」という陶芸作品の数々や、写真、肖像画、書籍なども飾られる。
遺品を整理しながら「夫のすごさを改めて感じた」という美保子さん。「手作りの心のこもった記念館になった。夫は戦争のない世の中を強く望んでいた。この記念館が平和のともしびになってくれれば」と願いを込める。
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