2005/2/9

中津川と山口村の越県合併
期待される宿場町復活

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島崎藤村の「夜明け前」の舞台である馬籠宿。江戸時代の風情そのままに、民宿や土産物屋が軒を連ねる=長野県山口村神坂で
島崎藤村の「夜明け前」の舞台である馬籠宿。
江戸時代の風情そのままに、民宿や土産物屋が軒を連ねる=長野県山口村神坂で


 長野県山口村が13日、岐阜県中津川市と越県合併する。旧神坂村が長野、岐阜県に分断された「昭和の大合併」から47年。旧村の人々がようやくひとつになれる。

 山口村神坂は中山道・信州木曽路の西の玄関口。文豪・島崎藤村の生誕地としても知られ、宿場町として栄えた馬籠宿が往時の面影をしのばせる。

 その村を愛するが故に、「長野県でなければ木曽ではない」と、「信州」にこだわり続けた合併反対派の思いがあった。賛成派も思いは同じだが、村の財政が立ちゆかず、子供たちの未来や生活を守る手段として決断せざる得なかった。

 そんな村民の思いをよそに、観光客の多くは「何県でも馬籠は木曽路にかわりないでしょ」と、五平餅をほおばり、江戸時代の面影を残す宿場町を散策している。

 しかし、時代の波は確実に馬籠にも押し寄せている。県道7号線(中津川南木曽線)が整備され、マイカーや観光バスの乗り入れが激しくなると、南木曽温泉や昼神温泉への通過型の観光客が増え、馬籠だけを楽しむ人は少なくなっている。せんべい屋を営む60代の店主は「ここには何が足りないのかのう」と嘆いた。

 村民は「木曽ブランド」を手にした中津川市に、昔のようなにぎやかな宿場町復活を期待している。

 しかし、私なら、せんべいをかじりながら馬籠のたたずまいや恵那山の眺めを楽しむだけでも十分だと思う。


【写真・文 兵藤公治】
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福を招く縁起のいい馬籠の民芸品「わら馬」。今では4、5人しか作る人がいない=長野県山口村神坂で
福を招く縁起のいい馬籠の民芸品「わら馬」。
今では4、5人しか作る人がいない=長野県山口村神坂で



山口村から中津川市街が一望できる。生活圏が中津川というのもうなずける
山口村から中津川市街が一望できる。生活圏が中津川というのもうなずける


中津川市から山口村へ帰宅する中学生。これからは越県通学もなくなる
中津川市から山口村へ帰宅する中学生。これからは越県通学もなくなる



南木曽町との町境である馬籠峠が新県境になる=長野県山口村で
南木曽町との町境である馬籠峠が新県境になる=長野県山口村で

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