| 全国の市でただひとつ「犬」の字が付く愛知県犬山市。03年3月に「家庭動物愛護のまち」を宣言し、老人ホームや保育園でのアニマルセラピーを積極的に進めている。
同市は02年4月、市内の犬山動物病院(太田亟慈(じょうじ)院長)が所有するラブラドルレトリバーの「パトラ」(メス、10歳)を、職員ならぬ「職犬」に任命。さらに今年5月には「レイ」(メス、4歳)も採用した。
2匹はともに、温厚な性格で、介助犬の訓練を受けている。週に1、2回、老人ホームや保育園に派遣される。派遣先の評判は上々。2匹とのふれ合いが楽しみで、朝からそわそわするお年寄りもいるという。
5月27日、市立羽黒北保育園ひよこ組での交流をのぞいた。子供たちは2匹の体をなでて「あったかいよ」「ふさふさだよ」と大喜び。おずおずとしっぽをちょこんと触って、隠れてしまう女の子も。
パトラやレイには、ストレスはたまらないのかな。
「彼女たちは、みんなに喜んでもらえることがうれしいんです」と、太田院長はほほ笑んだ。そうか、お互いが癒やし癒やされているのか。
穏やかなふれ合いの1時間は、あっという間に過ぎた。
車に乗せられる2匹を、園児たちが玄関で名残惜しそうに手を振って見送った。その中に、しっぽを触っただけの女の子の姿も。
パトラとレイが園児たちを振り返った。その目が「また、遊ぼうね」と言っているように見えた。
【写真・文 片山喜久哉】
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