2003/12/17
あの大事件の現場はいま…
よみがえる「怒り」「悲しみ」の記憶

※写真はクリックすると拡大されます

3月30日、女性が刺殺された通り魔事件の現場は、痕跡もなく、静かな通りに戻っている=名古屋市北区で
3月30日、女性が刺殺された通り魔事件の現場は、痕跡もなく、静かな通りに戻っている
=名古屋市北区で

 事件、事故の現場を月日がたってから訪ねることなどまずない。少なくとも、学生時代の思い出の場所や店を訪ねるように、懐かしさに駆られてふらりと足を運ぶことなど絶対にない。

 しかし偶然、予期せずにその場所を通りかかることはある。仕事に不満を持つ男が人質を取って立てこもり、ガソリンに火をつけて大爆発を起こしたビルの前や、若くもなくなった自分の将来に不安を抱く女が、20代の女性を標的に無差別に包丁を振り下ろした路上などだ。

 そんな時は大抵驚きを感じるものだ。取材で歩いた当時とすっかり姿を変えた風景に、ではない。取材した当時の「熱」が自分の中によみがえり、瞬時にその場所が「どこであるか」を理解できたことにだ。

 その場所には事件、事故の当事者となった人の怒りや悲しみの声が封じ込められているのだろう。月日が痕跡を消すほどに、その声が忘れられまいと一層、われわれに訴えかけるのだろう。

 東海3県に大事件、大事故が相次いだ今年、そんな奇妙な「縁」がいくつもの場所で出来た。


【いずれも12月撮影。写真・山口政宣▽大竹禎之▽加古信志▽兵藤公治】

この欄へのご意見、ご感想をお寄せ下さい。
▽郵送 〒460―8351 毎日新聞「東海面」係
▽ファクス (052)527-8273
▽メール tokaimen@maing.co.jp


新城市殺人事件の犯人が経営していた会社
9月18日に発生した新城市殺人事件の犯人が経営していた会社は破産し、
建物はそのままの状態で葉の落ちた木々に囲まれていた=愛知県新城市で


八幡、大和両町境の林道
4月30日に白装束集団が占拠していた八幡、大和両町境の林道は、
通行する車もなく、静かに冬を迎えようとしていた=岐阜県八幡町で


三重ごみ固形燃料発電所
8月19日に爆発した「三重ごみ固形燃料発電所」。貯蔵タンクの天井は、
4カ月近くたった今もそのままになっている =三重県多度町で


エクソンモービルで本社ヘリから
8月29日、タンク火災で4人死亡。火が噴出したタンクの側面には焼け焦げた跡が残っていた
=名古屋市港区のエクソンモービルで本社ヘリから



新日鉄名古屋の工場
9月3日に爆発炎上した新日鉄名古屋の工場では、ガスタンクの解体撤去作業が今も続く
=愛知県東海市で本社ヘリから


軽急便立てこもり爆発事件が発生したビル
9月16日の軽急便立てこもり爆発事件が発生したビルは、
外観も修復され惨事をうかがい知ることは出来ない=名古屋市東区で


□□□□もどる□□□□
  

トップへ戻る